さて、前回の記事ではPhotoShopやSAIでは筆圧感知がきかず絵を描くのに少々無理がありました。おさらいですがその理由は以下の通りです。
筆圧感知に関して
実は筆圧感知に用いられているAPIは二種類あります。
・WinTab API (PhotoShop,SAI)
・TabletPC API (Windows,IllustStudio等)
ThinkPad Tablet2を含む多くのWindowsタブレットは今のところTabletPC APIでの筆圧感知のみをサポートしている。
—前回の記事([レビュー] ThinkPad Tablet2はお絵かきで使えるか?(SAI PhotoShop編) 参照–
ではTabletPC API対応のソフトであれば筆圧が効くわけです。Lenovo や PhotoshopやSAIの対応を待っていたら創作活動が止まってしまいます。
ならいっそのこと、これらの古い設計のソフトではなく新たなペイントソフトを使うなんてのはどうでしょうか?もちろんSAIなどはお金のないユーザにとって有難い値段(5250円)ですがTabletPC API対応でかつPhotoShopファイルの読込もサポートしている
セルシス社製 CLIP STUDIO PAINT PRO
などは7000円程度です。実はそこまで高額じゃありません。
Paint Proの環境設定でWinTab APIかTablet PC APIどちらを使用するか選ぶことができます。
筆圧感知も完璧、描いてもらおうか!!
前回は、あまり乗り気ではありませんでしたが描いた絵を見せると。興味をもってくれたらしくイラストを描き始めてくれました。
普段ペンタブレット(intuos)を使用しているわけですが、ノートに鉛筆で描いているような感覚とは異なるため非常に違和感を感じていたそうです。
ペンタブレット欠点(デジタル絵)
1.絵が表示されているのは手元では無くディスプレイである為、違和感を引きづりながら描く必要がある。
2.ペンが触れた時の質感が固い為、紙に描いている時と比べ描き心地が大幅に異なる(ペン先変更・マットシートにて対策済み)
3.描画に遅延を感じる。
4.筆圧感知が優秀であっても微妙なニュアンスを出したいところを表現しづらい。
しかし、恐らくこれが液晶タブレットに変わったところで解決できるのは1くらいでしょう。絵は感覚で描いていくため違和感というのは非常に邪魔になる要素の一つです。でもペンタブや液タブに限らずデジタル絵で非常に楽なことがあります。
それは色塗りです。
線画だけであれば正直、紙と鉛筆を超えることはできないでしょう。しかし色塗りは正直デジタルのほうが非常に楽です。これから道具がどんどん進化してもらえれば良いですね。
ペンタブや液タブも昔に比べだいぶ使いやすくなりました。
では現時点でのThinkPad Tablet2の立ち位置はどこでしょうか?
ThinkPad Tablet2の立ち位置
正直ThinkPad Tablet2は、絵を描くにあたって非常に快適とは言えません。それはある一点の問題です。
・CPUの処理能力不足(しかももうちょっと高速だったら問題なさそう)
まったく使い物にならないわけではないですが、重たい作業(特殊効果)などをするのには全くむきません。
しかし欠点以上に、軽く持ち歩きやすいおかげで気軽に持ち出したり寝っ転がりながら使うことができます。
この寝っ転がりながら気軽に使えるところに絵描きとしてのThinkPad Tablet2の意味があるのです。
気軽さは非常に重要です。ふとイメージが思い浮かんだとき、ささっと描ける。
ThinkPad Tablet2で
影だってつけられるし
色だってつけられる
やはり、イラスト描きの人に描いてもらうと説得力がでますね。1時間もかからずササッと描いてました。
さすがです。
ThinkPad Tablet2をはじめとするデジタイザをもつWindows Tabletは多くの絵描きのみなさんが注目しています。各社より力を入れてこの市場に目を向けて頂きたいものです。より自然に絵を描けるそんな端末があっても良いと思います。
ThinkPad Tablet2を手に取って是非使ってみてください。絵を描くという視点で考えた時にこの軽さやサイズは非常に魅力的です。
お金に余裕があり、絵描きの妹がいてプレゼントをしたい兄貴があなたなら以下の物をプレゼントしてあげてください。